自販機好きのためのIT講座



1.レトロ自販機も冗長化の時代

IT技術用語に冗長化という用語がある。 どういう意味かというと、同じような機能を持つ物を2つ以上置いて、1つが壊れても短期間で元の機能を復活させるようにしておくことである。 さて、それがレトロ自販機とどう関係するかというと、以下の自販機はすべて冗長化されているのである。

・群馬の丸美屋自販機コーナーは、そばうどん自販機を2台に増設した、そしてさらに3台に増設した。(群馬県前橋市の富田町自販機コーナーの自販機を引き取った。)
・茨城のあらいやオートコーナーは、弁当自販機のストックを実は3台も持っていた。(茨城県神栖市の丸昇の自販機を引き取った。)
・群馬の自販機食堂も、そばうどん自販機が1台あるがもう1台をスタンバイさせている。(埼玉県深谷市のパチンコアスカの自販機を引き取った。)

別の場所でレトロ自販機が不要になったから引き取ったから冗長化できたのであるが、1台あるのにわざわざ何台にも増やして、1台が故障した場合のためにもう1台を使うことが冗長化なのである。 さらに冗長化にはこんなパターンがある、今の自販機コーナーの使い方に当てはめるとこうなる。※ nomが知っている今現在の情報です、状況が変わっていることがあります。

アクティブ‐アクティブ
2台以上稼働させておいて、1台故障してももう1台でカバーできるようにしておくこと。丸美屋自販機コーナーの使い方がまさにそれに当てはまる(1台そばうどんでもう1台ラーメンだよ、というのはあえて無視、中身はあまり変わらない。)。わざわざこんな遠い場所まで来てくれたので、故障中でガッカリさせてしまうのは申し訳ないという思いがあるのかもしれない。この方式の良いところは、停止している時間が大幅に少なくなること。1台故障した場合、1台稼働している間に故障機を修理すれば良い。悪いところは2台とも消耗してしまうこと、丸美屋の自販機は設置時期が違うのであまり関係ないが、新品で買った場合同じような時期に2台とも故障してしまうことがあったりする。

アクティブ‐スタンバイ
1台を稼働させておいて、もう1台は稼働しているが通常は機能させておらず、1台が故障すると自動で切り替わる。レトロ自販機はさすがにそれは難しいが、自販機食堂ならtwitterでつぶやけば、早急に何とかしてくれるかもしれない。通常はこの方式がよく使われる。長所は1台分の消耗で停止時間を大幅に少なくできること、 あえてこの方式の悪いところをあげると、故障の検知がうまくいかなかった時に、切り替わらなかったり、通常2台稼働しないのに稼働してしまったりする。

ホットスタンバイ
2台稼働しているが、1台は稼働しているが自動では切り替わらず。手で切り替えないと使えない。実際のところ自販機食堂がこれに当てはまる(かも)、1台が故障してしまった場合、何かしら人の手を使って切り替える必要がある。この方式の長所は1台分の消耗で停止時間をある程度まで少なくできる、すぐに店主が対応できるような場合には有効である。短所は1台稼働で手で切り替える必要があるのに、2台分の電気代がかかってしまうことか。

コールドスタンバイ
1台稼働していて、他の機器は稼働させていないが、電源を入れればすぐに使える状態にしておくこと。故障した時はもう1台の機器に入れ替えないと復活しない。あらいやの形態がこれに当てはまる。もし今の自販機が壊れたら、保管してある別の自販機に入れ替える(実は3台のどれも故障機で実際は部品取り用らしいが。)。この方式の長所は、保管してある機器は消耗しないこと。欠点は、保管している機器をいざ使おうとした時本当に利用できるか分からないこと、長い間電源を入れないと電源が入らないこともある。

さて、こんなところだが、丸美屋が自販機を3台に増やしたのは冗長化なのか?というと、それは冗長化でもあるし、負荷分散という意味もある。負荷分散についてはまた別の機会に紹介します。

こんな感じで、nomのIT技術講座をお送りします。では次回お楽しみに。


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2016.9.27